浴槽の材質と相性の良い入浴剤について

入浴剤 入浴剤について

お風呂の水のpHや浴槽の材質に合わせて、入浴剤を選ぶ方法についてご紹介したいと思います。

入浴剤は、温泉気分やリラックス効果、美肌効果など、さまざまな効果が期待できるアイテムです。しかし、入浴剤の種類や成分によっては、浴槽や給湯器に影響を与えてしまうこともあります。そこで、お風呂を傷めないために、入浴剤の正しい選び方や使い方を知っておきましょう。

お風呂の水のpHと入浴剤の関係

お風呂の水のpHとは、水の酸性度やアルカリ度を表す指標です。pHは0から14までの数値で示され、7が中性で、それより小さいと酸性、大きいとアルカリ性となります。お風呂の水のpHは、水道水の硬度や塩素濃度、入浴剤の成分などによって変化します。

お風呂の水のpHが肌に与える影響は、以下のようになります。

  • 酸性のお風呂:肌の角質層を保護する皮脂膜を溶かしてしまうため、肌が乾燥しやすくなります。また、肌のバリア機能が低下し、細菌やカビなどの感染にも弱くなります。
  • アルカリ性のお風呂:肌の汚れや古い角質を落とす効果がありますが、過度に洗浄すると肌が荒れたり、かゆみや炎症を起こしたりすることもあります。また、肌の弾力やハリを保つコラーゲンやエラスチンの分解を促進するため、肌の老化にも影響します。
  • 中性のお風呂:肌のpHとほぼ同じなので、肌に刺激を与えません。肌の乾燥やかゆみを防ぎ、なめらかに保ちます。肌に優しい入浴法と言えます。

一般的に、肌に最も適したお風呂の水のpHは、5.5から6.5の間と言われています。しかし、水道水のpHは、地域や季節によって異なります。たとえば、東京都の水道水のpHは、7.2から7.8の間となっています¹。これは、肌にとってややアルカリ性の水と言えます。そこで、水道水のpHを調整するために、入浴剤を使うことができます。

入浴剤には、酸性のものやアルカリ性のもの、中性のものなど、さまざまな種類があります。自分の肌の状態や水道水のpHに合わせて、適切な入浴剤を選ぶことが大切です。入浴剤のpHは、商品のパッケージに記載されていることが多いので、確認してみましょう。

浴槽の材質と入浴剤の相性

浴槽の材質と入浴剤の相性も、入浴剤を選ぶ際に考慮しなければなりません。浴槽の材質によっては、入浴剤の成分が浴槽に影響を与えてしまうことがあります。以下では、一般的によく利用される浴槽の材質と、その浴槽に合った入浴剤の選び方について紹介します。

強化プラスチック製の浴槽

強化プラスチック製の浴槽は、軽くて丈夫で、保温性にも優れています。また、色や形も自由に選べるので、デザイン性にも優れています。強化プラスチック製の浴槽は、ほとんどの入浴剤と相性が良いので、好きな入浴剤を使うことができます。ただし、硫黄成分を含む入浴剤は、浴槽の表面に白い汚れが付着することがあるので、使用後はしっかりと洗い流してください。

人工大理石製の浴槽

人工大理石製の浴槽は、天然大理石に樹脂を混ぜて作られた浴槽です。天然大理石のような高級感や美しさがありますが、天然大理石よりも耐久性や耐熱性が高く、メンテナンスもしやすいです。人工大理石製の浴槽は、中性の入浴剤や透明タイプの入浴剤と相性が良いです。硫黄成分や炭酸ガスを含む入浴剤は、浴槽の光沢を失わせたり、変色させたりする可能性があるので、避けましょう。

ホーロー製の浴槽

ホーロー製の浴槽は、金属にガラス質の塗料を焼き付けた浴槽です。表面が滑らかで、汚れやカビが付きにくく、清潔に保てます。また、色や模様も豊富で、レトロな雰囲気が楽しめます。ホーロー製の浴槽は、硫黄成分や炭酸ガスを含む入浴剤と相性が悪いです。硫黄成分は、ホーローの表面にシミを作ったり、金属部分を錆びさせたりします。炭酸ガスは、ホーローの表面に小さな傷を作ったり、剥がれやすくしたりします。そのため、中性の入浴剤や透明タイプの入浴剤を選びましょう。

ステンレス製の浴槽

ステンレス製の浴槽は、ステンレス鋼に特殊な加工を施した浴槽です。軽くて丈夫で、錆びにくく、耐久性が高いです。また、光沢があり、清潔感があります。ステンレス製の浴槽は、ほとんどの入浴剤と相性が良いですが、塩素系の入浴剤は、ステンレスの表面に黒ずみやシミを作ることがあるので、注意が必要です。また、ステンレス製の浴槽は、保温性が低いので、冬場はお湯が冷めやすいというデメリットがあります。

木製の浴槽

木製の浴槽は、ヒノキや桧などの木材で作られた浴槽です。木の香りや温もりがあり、リラックス効果が高いです。また、木の成分には、殺菌作用や血行促進作用などがあります。木製の浴槽は、酸性の入浴剤や透明タイプの入浴剤と相性が良いです。アルカリ性の入浴剤や色素や香料を含む入浴剤は、木の色や質感を損なったり、木の劣化を早めたりする可能性があるので、避けましょう。また、木製の浴槽は、水分や温度の変化に弱いので、定期的なメンテナンスが必要です。

入浴剤の使い方のコツ

入浴剤を使うときには、以下のコツを覚えておきましょう。

  • 入浴剤の使用量は、商品のパッケージに記載されている量を守りましょう。過剰に使うと、肌や浴槽に影響を与えることがあります。
  • 入浴剤を入れる前に、お湯を十分に張りましょう。お湯が少ないと、入浴剤の濃度が高くなり、肌に刺激を与えることがあります。
  • 入浴剤を入れた後は、お湯をよくかき混ぜましょう。入浴剤が溶けきらないと、肌に付着したり、浴槽に汚れが残ったりすることがあります。
  • 入浴剤を使った後は、お風呂の水を捨てる前に、浴槽や配管をしっかりと洗い流しましょう。入浴剤の成分が浴槽や配管に残ると、腐食や汚れの原因になることがあります。
  • 入浴剤を使った後は、肌を優しく洗い流しましょう。入浴剤の成分が肌に残ると、乾燥やかゆみの原因になることがあります。

入浴剤は、お風呂の時間をもっと楽しくするアイテムです。しかし、入浴剤を使うときには、お風呂の水のpHや浴槽の材質に合わせて、適切な入浴剤を選ぶことが大切です。また、入浴剤の正しい使い方やメンテナンスも忘れずに行いましょう。入浴剤を上手に使って、お風呂をもっと楽しみましょう。

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